電子帳簿のあれこれがにわかに動き出している今日この頃。改正電子帳簿保存法の施行だとかオンライン取引情報のデジタル保存義務化だとかインボイス制度だとか、本業こなしつつの経理自分でやってる個人事業主仲間の皆様におかれましては本当に目を背けたい気持ちでいっぱいかと存じます。私も2年間の猶予という文字を見た瞬間に脳内から記憶消しました。
それなのに。記憶を消したのに。ひょんな事から思い切って勉強することにしました。えらい。新年早々ほんと超えらい。
ということで、見て見ぬふりをしている同志の足掛かりにでもなればと思い、その足跡をここに記します。当然ながらここで書いていることを鵜呑みにして何か問題や追徴課税や罰則金が生じても一切の責任を負いませんので、各自の責任できちんと調べてからレシートは破り捨ててくださいね。
あと、「お前これ間違ってるぞ!」という場合は問い合わせページかTwitterで優しく教えていただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
[2022/04/04 追記]
データの自動同期(RPA)に利用するサービスをIFTTTからMicrosoft Power Automateに変更しました。どうもIFTTTがうまく動いてくれず。管理画面も前から挙動がおかしかったのでお別れしました。さよならIFTTT。
レシートを破り捨てるまでの流れ
ではまずレシートを捨てるまでの流れです。
- Microsoft Lensでスキャンし、フィルターでドキュメントなどの処理を加えて画像を整える
- 右下の完了ボタンをタップし、次のルールに従ってタイトル(ファイル名)を編集
取引日-取引先名-金額 (例:20220118-(株)国税野郎-9999)
※区切り文字はご自由に - PDF>OneDriveと進んでOneDriveに保存
- OCRはアプリで自動適用。
IFTTTMicrosoft Power Automate [2022/04/04 変更]でGoogleドライブにも自動保存 - データがちゃんと保存されているのを確認できたらOK!さぁそのレシートを破り捨てよう!
これであのクソめんどくさいレシート整理という雑務とお別れです。レシートを保存するためのファイルや場所ももう要りません。やったー!やったー!!やったー!!!
では以下で詳しくご説明。
用意したもの
レシートを破り捨てるにあたり、以下の5つを用意しました。
- 社内規定
- システム関係書類(仕様書やマニュアルなど)
- スマホ
- OCR対応スキャンアプリ(お好みで)
- クラウドストレージ
はいでは1つずつご説明。
1. 社内規定
お国が突きつけてくるルールです。これは個人事業主でも必須。いきなり心を折りに来てるようですが大丈夫!ちゃんとテンプレートを用意してくれています。以下のページからサンプルのWordファイルをダウンロードし、日付を入力するだけで完成です。簡単!
- 参考資料(各種規程等のサンプル)|国税庁
- 上記ページの「電子取引に関するもの」
国税庁は厳しくて冷たくて鬼畜だけど、意外と優しい一面もありますよね。DV野郎みt
2. システム関係書類(仕様書やマニュアルなど)
お前んとこの帳簿どうなってんの?どういう手順に基づいて、どうやって記録してんの?というのを定めて、出せって脅されたらすぐ出せるようにしておかないといけないそうです。こわいですね。こちらもテンプレートっぽいものがあり。でも基本的にオレオレシステムなので、あくまで参考程度に。
- 参考資料(各種規程等のサンプル)|国税庁
※上記ページの「スキャナ保存に関するもの」
3. スマホ
387万画素(縦2,338画素、横1,654画素)が要件だそうです。最近のスマホならまぁ大丈夫でしょう。でもアプリを使う場合は画質に注意しましょう。Microsoft Lensは今のところ大丈夫でした。
4. OCR対応スキャンアプリ(お好みで)
スキャンしたレシートは可視性の確保を要求されます。要は検索できるようにしておけってことだそうで。
- 日付
- 金額
- 取引先
この3つを検索できればOKなようです。国税庁によるとファイル名の付け方で要件を満たせるそうですが、突然仕様を変更されたら怖いのと、手間がそんなに変わらないなら自分も検索しやすくなっていいかなってことで、OCR対応のスキャンアプリを使ってテキスト情報も埋め込んでPDF保存することに。色々試した結果、日本語OCRの精度が一番良かったMicrosoft Lensを採用しました。ただしこれは必須ではないので、あくまでお好みで。
- 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(変更箇所下線あり) (PDFファイル/653KB)
※上記PDFのP7にファイル名についての記載あり - 「Microsoft Lens: PDF Scanner」をApp Storeで
- Microsoft Lens - PDF Scanner - Google Play のアプリ
5. クラウドストレージ
これはスキャンアプリをMicrosoft LensにしたのでOneDriveを採用しました。LensでスキャンしてOneDriveに保存という流れですね。
ただOneDriveはたまにデータが吹き飛ぶというよく分からなくて恐ろしい噂を耳にするので、IFTTT Microsoft Power Automate [2022/04/04 変更] を利用してGoogleドライブにも自動保存してバックアップを取るようにしています。
おわりに
ややこしい&めんどくさい。でも改正されたことで思っていた程ではなくなりました。何よりあの邪魔で仕方ないレシートたちを一掃できるのはとても嬉しい。理不尽な!と思うようなルールの押し付けもないように感じますし、何なら納得のルール。頑張って勉強する価値は十分にあったと今では思います。
さあ!あとはちゃんと期限(約2か月と概ね7営業日以内に記録)を守って、日々経費を入力するだけ!